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RockEndRoll・・ヒトリゴト・・

RockEndRoll・・ヒトリゴト・・

モンバス2日目レポ(スタッフの人編)

8/22・OPENING
『ガンジンルー』『マキシマム・ザ・ホルモン』がのっけからハイテンションで、夜の間に冷めた空気を一気の熱し、2日目のスタートを告げた。

11:00~ORANGE RANGE
『ORANGE RANGE』は、いきなりオールスタンディングの洗礼を受けステージに立った。それに応えるかのように連発するベスト・セット。高く掲げ廻るタオルが、雲を切り裂いていった。全身全霊で自分達の音楽を届けてくれる彼らに、全身全霊で応えるオーディエンスが実に印象的。もはやこれはAMのテンションではないな…。

11:35~つばき
至極エモーショナル。シンプルな3ピース。直球ストレート。表情豊かに鼓膜を揺さぶる気持ちいいサウンドを効かせてくれた『つばき』。彼らも確実に龍神というステージで、オーラを解き放っていた。僕にはそれがおもしろい正方形に見えた。大きくなったり、小さくなったり、曲がったり、壊れたり。不思議な空間を味わった。

12:00~PE'Z
インストの深みとは、いかなる場所でも確実に聴く者に届くことだ。玄人好みのナンバーで魅了したのは、日本のインストバンドの名手。ゲインが吹っ飛んだとのかと思うほどの音圧。寸分の狂いも見せないセッション。メリハリのきいたメロディーライン。十人十色の楽しみ方ができる彼らのサウンドに、小雨をぱらつかせる空も楽しんでいるようだった。オーディエンスとの会話は、すべてセッションの中に…。

12:30~フラワーカンパニーズ
お祭り騒ぎが似合う男達と言えば彼ら。ボディランゲージ? ダンス? 自画自賛の新曲「深夜高速」を披露し「靴返してくれ~!」と最後はきちんと笑いまでとって帰った彼ら。きちんと投げ返したオーディエンスの行儀良さが、気持ちよくてうれしかった。

12:55~GOING UNDER GROUND
「やっとでれた!」とうれしい言葉で空海に上がったのは桶川出身の5人衆。彼ららしいアプローチで始まったステージに、懐かしい感覚を覚えた。「あぁ、彼らの音楽はこんなにも近くまで来てくれる」。親近感ではない温かさが、忘れかけた想いを引き戻してくれた。「ハートビート」はその名の通り、僕らの心にビートを刻んだ。そしてドラマを描いた。主役が君と僕の…。

13:25~椿屋四重奏
「お前等をバラ柄にしてやる!」と勇みよくステージに上がった『椿屋四重奏』。3ピースなのに四重奏?でも作り出す音の質感はもっとブ厚いのだ。何だろうこの感じは?非日常を描く詞の世界は、モンバスでも変わることはなかった。このバンドのクラシカルな雰囲気も…それが椿屋四重奏なのだ。

13:50~HUSKING BEE
インディーズで勝ち名乗りをあげた重鎮『HUSKING BEE』、今日はどこか違った雰囲気を見せていた。ステージ中央に固まるように並ぶ3人は、久しぶりの四国とあってモンバスという空間に驚いていた。自ら寒いMCと言いながら、いきなり曲に入るところも、インディー上がりのライブ感たっぷりで…それが逆に新鮮だった。

14:25~THE NEATBEATS+クハラカズユキ+奥野真哉
超高速ビートに乗っかって、ロックンロールを掻き鳴らす。クハラカズユキのビートに奥野真哉のオルガンはさすが逸品。曲間のアメイジング・グレイスの独唱は、さながらジミ・ヘンドリックス…とまではいかないが、度肝を抜かれた。そして彼らがステージを降りると同時に雨は、降り出した。芝生広場の熱気は一気に下がり、一時中断を告げるアナウンスが響いた。スタンディングゾーンで雨に濡れながら、不安な表情で佇むオーディエンス。豪雨は緩急をつけながら、僕たちの不安を煽った。「この雨は止むんだろうか」。そんな不安を振り払おうと雨に打たれながら、会場を歩いた。テントの下に駆け込む人や、雨に打たれながらじっとステージを見つめる人。1時間ほど降り続いた雨は、次第に弱くなり止んだ。雲はそこに居座ったが、再開のアナウンスと同時に、大きな拍手と歓声が上がった。

14:50(予定)MASTER LOW
豪雨の1時間。湿った空気を切り裂くように『イエス』の「ハート・オブ・サンライズ」のSEが流れた。雨上がりのステージを飾るのは、四国初のライブとなった『MASTER LOW』。さすがエンターテナーと言わんばかりのパフォーマンスは、先ほどまでのオーディエンスの不安な表情が嘘のように笑顔に変わっていった。パンクでロックでエンターティナー。「こんな雨で終わるはずがないだろう!?」と言わんばかりに歌い、叫び、踊るLOW IQ 01。ハスキンの磯部もステージに加わるというフェスならでは嬉しいハプニングもあり、大盛り上がりで会場は体温を取り戻していた。

16:15(予定)ELLEGARDEN
ブレイクタイムを挟む予定を繰り上げて『ELLEGARDEN』が龍神ステージに姿を現した。メジャーデビューしたばかりの彼らだが、彼らの魅力にノックアウトされたオーディエンス達が放射線状にステージを囲んでいた。類い希なボーカルセンスと、キャッチーなサウンドとメロディ。英詞の発音が抜群なだけに「外国人のアーティストいたっけ?」なんておしゃべりが聞こえてきた。そのあとステージに駆けていった2人の女の子の背中を今でも覚えている。

15:40(予定)ACIDMAN
音と音の構築が、緻密な計算で会場の空気を“燃焼”させる。真摯な彼ららしいMCから、すさまじい音圧で腹の底に響くサウンドを轟かす。霧がかかった遠くの山々と、雲の切れ間に見え始めた青い空と太陽が美しかった。その景色と重なるように、彼らのセットはまるで1つの物語のように流れていった。11月の再会を約束して、彼らの最後の曲が会場を包み込み始めていた。

17:15(予定)B-DASH
「どうもB-DASHです」と、いつもながら朗らかな自己紹介で、今年最後の龍神ステージに上がった彼ら。奇才? 鬼才? 「あーもう、どうにでもしてくれ!」と言いたくなるほどの曲だらけ。これほどまでに無茶苦茶なのに、なんでそんなに…。言葉が出てこない。とにかく今年最後の龍神ステージは、僕の中で伝説級のステージだった。今からモンバスが始まるのかと思ったほどだ。ドラムのピッチがどんどん加速しているのに、何1つ慌てず歌うGONGON。TANAMANは「ウォー!」って叫んでる。最高!最高!最高!

16:40(予定)ZAZEN BOYS
今年のモンバスを完全に喰った『ZAZEN BOYS』。会場が宙に浮いたような錯覚に陥った。「繰り返される諸行無常~」と何度も繰り返すMC。プログレッシブでアグレッシブな展開を聴かせるサウンドに、口を開けて見ていたオーディエンスも時間とともに虜になっていった。意味不明なMCと、泣く子も黙るプログレッシブ・サウンドで、四国に「祭スタジオ」の偉大さを知らしめた彼らだった。

17:40(予定)SPITZ
いよいよラスト3バンド。空海ステージに立ったのは『SPITZ』。モンバスにSPITZ。彼らがあのステージに立つことが、僕には奇跡に思えた。ステージ前から会場端の丘までオールスタンディングの出迎えを受け、彼らのステージは始まった。夜になりかけている空は、静かに彼らの後に隠れているようにも見えた。「どこいってたの?」。待ちわびたオーディエンスのそんな声が聞こえてくるような、優しいステージだった。揺れる体と口ずさむ歌が、いつもそばにいてくれた友達のように愛しいものだった。「空も飛べるはず」が最後の曲で流れた時、僕は震えが止まらなかった。

18:35(予定)ケツメイシ
ありがとう! あの感動は忘れない! あのMCは口外しない! どんなに世界が混乱しても、今日の日のようにピースフルな歌を歌っていてくれるだろう。そしてあのMCで笑わせてくれるだろう。真っ暗に塗りつぶした空間に、彼らの歌声が輝いていた。大きなミラーボールが廻るかのように、人のうねりが輝いていた。体が踊った。心が躍った。彼らが叫んだ。僕らも叫んだ。時間が足りなかった。でも充分だった。完璧に5人は濡れていたと思う!

19:30(予定)氣志團
いよいよ今年の夏が終わる時間がやって来た。「またせたな!」とステージを駆け回る綾小路に、黄色い歓声が投げられる。『氣志團』はこの空間に、マジックを起こしたのだ。完璧なまでのステージングもパフォーマンスも。一致団結の振り付けも。センチなMCも。どれも彼らの魔法だった。僕の前に3人の女の子がいた。彼女達は一生懸命に彼らと一緒に、完璧な振り付けで踊り続けていた。この2日間で見た一番素敵な光景だった。

 

これを書きながら少しずつ涼しくなったと感じるのは、夏の終わりを決めていたからだろう。焼けた体がひりひりと痛むのも、夏の終わりと決めた2日間のお土産だ。サンボマスターが語りかけた愛。ハナレグミが聴かせてくれた美しい音色。「時間が少ないんじゃー!」と叫んだウルフルズ。元気いっぱいに凱旋したジャパハリネット。「来年もやるんだろ?」と、僕らの意志を高く掲げたハイロウズ。PE’Zの極上のインスト・サウンド。「やっとこれた」と言ってくれたGOING UNDER GROUND。11月の再会を約束したACIDMAN。優しく歌を紡いでくれたSPITZ。氣志團の魔法に輝いた夜。ほんとうに夢のような2日間だった。あの豪雨の1時間も、雨でくたびれた靴も、握りつぶしてぐしゃぐしゃになったメモ帳も。どんなものにも変えられない時間の結晶だ。これから1年。モンスターがまた眠りにつく。その間僕たちは仕事をして、ごはんを食べて、遊んで、つらい思いをして、楽しく笑って過ごすのだろう。でも何があっても来年も、あの場所に僕は必ず立っている。間違いなく立っている。そしてまたこう思うのだろう。「本当にここにいてよかった」と。


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